洋酒の販売(明治21年8月16日)

当区内にて洋酒を売捌く店は僅に十軒程のものにて其販路も甚だ広からざりしも当春以来洋酒売捌俄に増加し目下は二十余軒を見るに至り随て販路も中々広□昨年に対する時は三倍以上にて一日の小売は大店にて五六ダース、中等にて四ダース小店にても二ダース以上の販路ありて中々の好景気なるが此の如き現象は地方経済の為め甚だ好ましからぬ事と云うべし



〈訳〉
仙台にて洋酒を売りさばく店はわずかに十軒程であり、その販路もさほど広くはなかったが、この春以来洋酒の販売がにわかに増加し、現在は二十余軒にもなった。それにしたがって販路も広がり、昨年に比べると三倍以上となり、一日の小売は大型店で五、六ダース、中規模の店で四ダース、小さい店でも二ダース以上も売れるとあり、中々の好景気であるが、これは地方経済のためとても好ましくない事ともいえるであろう


〈解説〉
当時の仙台区内における洋酒の流通状況がわかります。主に飲食店での消費でしょう。
洋酒は、ビール、ワインを指していると思うのですが、これらは国内産のものも多く、純粋に輸入品を指しているのか、国内産のものも含めて洋酒と言っているのか、わかりません。追って確認するつもりです。
「地方経済の為め甚だ好ましからぬ事」というのは、地場産品の日本酒の消費が、洋酒におされてしまうことを懸念しているのだと思います。


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Author:sucre1800
これは、明治時代、仙台市内などで購読されていた奥羽日日新聞の記事から、当時の仙台、近隣町村などのようすが想起される記事を集めたデータベースです。

私自身の調査・研究の過程で集まった副産物ですので、入力ミスや読み違いもあるかもしれません。もしレポートや調査などでこれらのデータをお使いになるのでしたら、宮城県図書館、もしくは国立国会図書館収蔵の、原本をご確認されることをお勧めします。

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